2023年6月18日日曜日
MBA卒業から10年以上経った今思うこと
2010年12月25日土曜日
2010 Fall electives
Advanced Competitive Analysis – Strategy 669
Strategyの名物教授の一人であるProf. Ahujaによる授業です。MBAなら誰でもFive Forces等の基本的なフレームワークは知っていますが、この授業ではそれぞれのフレームワークが前提としているAssumption、原理原則を明らかにしつつ、いかに実戦で事業戦略の分析ツールとして使いこなしていくか、ということに主眼を置いています。また授業後半では分析過程だけではなく、その分析結果を使ってどのように新戦略の立案に繋げていくかという総合過程や、新戦略の実行面における課題分析についても取り扱いますので、分析力だけではなく総合力も鍛えられます。一応ケースディスカッションをベースとした授業なのですが、実際にはケースを題材にしたLectureという感じでAhuja本人が喋っている時間が一番長いです。しかし授業の構成や進め方は良く練られており、時折問題の本質を考えさせる非常に巧妙な質問が飛んでくるので気は抜けません。特に“Think carefully..”と言われたときには要注意です。ケースを注意深く読んで真剣に予習をしていったつもりでも教授の方が一枚も二枚も上手で毎回何らかの新たな発見がある、そんな授業です。Strategyに興味がある方ならミシガンでは必ず取るべき授業の一つだと思います。
New Venture Creation – ES 615
細かいこといわんと一度ベンチャーを立ち上げてみよう、というRossらしいクラスです。講師のJim Priceは既に何社ものベンチャーを成功裏に立ち上げた経験を持つ生粋のEntrepreneurであり、彼の意見や視点は非常に参考になります。プロジェクトを通じて彼のコンサルティングを受けられることがこの授業を取る最大の価値と言えます。授業では、アイディア出しから始まり、Business Planの作成、Investor Presentationの実施までをカバーしますが、実際にこの授業をきっかけにして立ち上がった事業がいくつもあります。私もインドで学習障害を持つ小学生向けの医療サービス提供ベンチャーの立ち上げに参加しましたが、インドにFounderがおり、実際に我々のBusiness Planを元に事業立ち上げを予定しています。Full-termを通して時間の殆どをプロジェクトのためのグループワークに費やすことになるので、どのクラスメイトとチームを組むか、どれだけ真剣にプロジェクトに取り組むかによってTake-awayが大きく変わってくると思います。実際に起業のアイディアがあるけど、どのように事業化してよいか悩んでいる方や、卒業後はベンチャーキャピタルで働きたい、もしくは大企業で新規事業を立ち上げたいと考えている方にはお勧めできる授業です。
Leadership in Changing Times – MO 611
Crisis Managementの権威、Gerald C. Mayersが教えるRossの名物授業の一つです。毎授業毎に危機に瀕している、もしくは危機を乗り切った経験のある会社に焦点を当てて、Role Playや議論を通じて、危機におけるLeaderの役割について学びます。また対象企業のCEOや役員クラスが実際に毎回の授業に出席しており、当時の状況やその時果たした役割について体験談を語ってくれるのも醍醐味の一つです。2010 Fallの授業ではFord, P&G, GE Technology, Toys R Us等を扱いました。毎授業のRole Playでは、特にPresentationを行う企業側の役割が当たっている時にはInvestor、Analystや Media等からの集中砲火を浴びるため、山程ある資料を読み込んで準備していかなければならず、正直1.5 Creditには見合わない負荷となります。しかしきちんと準備していって議論に参加したほう(Role Playに没入したほう)が学びが多いのも事実でした。米国においてLeadershipがどのようなものと考えられているのか、実際にどのような人が米国大企業のCEOとして働いているのか、またAnalystやMediaがどのように企業を見ているのか理解できる良い機会でもあります。将来大企業のCEO, CFOを張りたい方、Public Relation部門でのキャリアの可能性のある方には特に受講をお勧めします。
2010年10月20日水曜日
Real option
現在受講しているFinanceの授業"Options and Futures"では、最初の頃はoptionの種類やメカニズムの教科書的な説明が続きあまり面白くなかったのだが(ただし教授の教え方が上手いのが救い)、後半に入るにつれどんどん面白くなってきた。
特に目が覚めたのはリアルオプションの解説が始まった頃だ。リアルオプションは従来のNPV分析だけでは捉えきれないプロジェクト進捗における流動性の価値を計数的に評価する手法である。授業後に教授を訪れて聞いて見ると、実際に製薬会社における新薬開発やBoeing等の新型機製造プロジェクト、原油メジャーの大規模油田開発等において利用されているようだ。
当社においても、海外事業における規模拡張等の段階的な投資評価(特に製鉄所建設は何期かに分けて進捗させる場合が多いので)や、投資時期の意思決定の際の一助として利用できる余地はあると思われる(ただし実務面において、評価に耐えるだけの精度を担保できるか、実務が複雑になり過ぎないか等の課題はある)。
今後にさらに理解を深め、実務における応用の可能性を探っていきたい分野の一つである。
2010年10月4日月曜日
Project Pakdandi
インドにおいて、何らかの理由で学習障害を持つ子供達(主に小学生)に対して、初期診断とリハビリテーションロードマップを提供しようというのがアイディアで、どのようなビジネスモデルを組むかはこれから約2ヶ月をかけて検討し、ビジネスプランに仕上げていくことになる。
メンバーはインド人3人、中国人1人、そして私というアジアチームで取り組むことになった。
最終的にこのプロジェクトにした理由はやはりインドに興味があるということに尽きる。特に教育熱心な国だということは聞いているので、インドにおける教育や医療等の基本的なインフラについての理解を深めることは、将来インドでのビジネスに携わる可能性のある自分にとっては意義深いことと考えた。また、このプロジェクトは現地で協力者がおり、実際に起業を考えているので、創業メンバーの一人として関わることができれば、という下心があるのも事実である。
2010年9月30日木曜日
New Venture Creation -Lecture-
子曰く、Entrepreneurshipはベンチャー経営者だけではなく、大企業で社内ベンチャーに取り組む若手や海外で新規事業を立ち上げるマネジャーにも求められる資質であるが、その二つには大きな違いがある。ベンチャー経営者は失敗から学ぶ、もっといえば、ベンチャーはその本質からより不確実性の高い環境下でビジネスをするので、Trial&Errorを通じて成長することに学ぶことに慣れており、いい意味で失敗を恐れない。しかし一方で大企業のマネジャーにとって失敗は多くのケースで出世競争からの脱落を意味する。必然的に、彼らは多きな賭けを避け、痛みを伴うかも知れない改革よりも、前任者の築いた成果に小さな改善を加えていくことを優先するという。
これを聞いて思い出した。私ももともと大企業勤めが長かったのだが、企業の所謂内部昇進システムには入社当時から疑問を抱いていた。内部昇進システムからは経営者は育たず、ビジネスの一側面しか知らない人間を生み出しているのでははいかという思いがあったからである。
例えばあるプロジェクトに取り組むとき、社内横断チームを組むとする。営業、財務、法規、人事、原料購買等各Functionから人材を集めたとして、各セクションの若手マネジャーは各自の立場から意見を述べ仕事はするが、全体を統括するのはプロジェクトリーダーの仕事であり、意思決定をするのはさらに上の役員・部長クラスである。つまり実際に「経営してみる」という経験は本当の経営者クラスになるまで出来ないわけである。私は所詮人間は自分の体験した、または想像力の及ぶ範囲でしか考えることができないと思っているので、将来の経営者候補はなるべく若いうちに、遅くとも30台のうちに本物の「経営」の経験を積むべきだと考えている。考えてみてほしい、30台から何度も経営の経験を積んだ人と、役員になってから初めて「経営」をする人とでどれだけその「経営力」の厚みに差が出るか。
大企業単独ではなかなか若手にそういった経営ポストを用意することはできないかもしれない。しかし、グループ会社(子会社、孫会社)を含めた企業グループとして、出向人事だけでなく、人材育成を念頭に置いた戦略的なグループ企業人事を志向することで、親会社の管理ポジションと子会社の経営者ポジションを行き来するような人事を若手マネジャーに対して行うことができれば、若手の成長と組織の活性化にも貢献するのではないだろうか。
2010年9月22日水曜日
New Venture Creation -Introduction-
"Action-based learning"を標榜しているRossらしく、要は「実際にベンチャーつくっちゃえ!」というクラスである。授業を取っているビジネススクールの学生や他学部の学生からアイディアを募集し、そのアイディアに賛同する者同士でチームを組み、市場調査、ビジネスモデルの構築、ビジネスプランの作成、投資家へのプレゼンテーションまでを授業ではカバーする。有望なベンチャーにはスポンサーがついて起業のプロセスに進むこともあり、実際に過去にこの授業から産まれた会社がいくつもある。
教授はJim Priceで過去にいくつもベンチャーを立ち上げ、成功に導いたベテラン経営者であり、非常に"ナイスガイ"でもある。プロの教授ではないので、授業の進行には不備が見られることもあり、それが過去の授業評価を下げている要因だと思われるが(Rossでは、生徒による過去の授業評価をwebに公開している)、実際に彼のアドバイスを受けながらベンチャーを立ち上げる経験はエキサイティングに違いない(と期待している、まだ始まったばかりなので)。
さて、いくつかの案件の中から私が候補として選んだのは1. Ear protection device, 2. Pakdandi の二つである。 1はミシガン大学Engineering SchoolのPh.D学生が考案した、真空を利用した超高性能耳栓のプロジェクトである。私はもともと製造業のバックグラウンドもあるしアマチュアのパイロットでもあるので、自分の経験から、遮音機能と必要な会話のできるFlexibilityを備えたEar protection deviceには将来性があると思っており、一番興味のあるプロジェクトであった。しかし、教授にコンタクトを取ってみると、どうも製品のアイディアをもつ当のEngineering Schoolの学生本人がもう卒業してしまったらしい。よって第二候補のPakdandiのプロジェクトに参加することにした。
Pakdandiプロジェクトの概要は、インドの小学校~中学校の生徒を対象に、認知障害の早期発見スクリーニングテスト及び治療のためのロードマップを提供するというものである。もともとインドに興味があったことと、そのインドでベンチャーを立ち上げるという意味で二重に面白そうだと思い参加することにした。ちなみにPakdandiとは、インドのある地方の言葉で「あまり人が通りたがらない、森の中の小さな小道」を指すという。
チームはアメリカ人1、インド人2、中国人1、そして私の5人の多国籍チームである。どうなることやら、今から楽しみである。
2010年6月20日日曜日
Grades in the first year
結果は、Excellent4つ、Good7つ、Pass1つとなった(Low Pass, Failは無し)。半分くらいはExcellentが取れるかと思っていたのだが、現実はやはりそう甘くはなかったようだ。
FinanceやAccountingなど数量系の科目の成績が良かった一方で、StrategyやMOなど、Class participationが重視される科目ではExcellentは取れなかった。これは二年目に向けての課題である。英語で聞いて議論を日本語に翻訳して理解して、日本語で考えたことをまた英語に翻訳して話す、となるとやはり時間がかかってしょうがない。やはりResponseのスピードを上げるためには、意識的に英語で考える訓練をしないとどうしようもないようである。
家族同伴で来ているとどうしても家族とは日本語で話すためか、思ったほど英語が上達していない(特にSpeaking)のも悩ましい(平日は現地の幼稚園に通っている娘の日本語教育のこともあり、妻と相談して家庭では日本語で話そうと決めている)。
次に時間管理。家族との時間、授業の予習・復習、チームミーティング、クラブ活動(社費なので就職活動は無し)等のTaskの優先順位をどうつけてスケジューリングするか、どこまで粘り、どこで見切るか。会社時代は、時間のある限りデータ収集し、分析を精緻化する癖があったため、気になることがあるとつい時間を気にせずに没頭してしまう悪癖がるので、これは意識してコントロールせねばなるまい。
Group workで貢献できたと思うのは、分析フレームワークの提示、Research、全体スケジューリング、Excelテクニックといったところか。また、一年目も後半になって気づいたのだが、しゃべりの量でnativeを圧倒することの難しいInternational Studentにとっては、むしろCriticalな質問を効果的に使って議論の方向性を誘導する、また議論が変な方向に外れかけたら修正する、というのが効果的のようだ。これは二年目のElectiveの中でも試してみたい。
また、意外なことにアメリカ人の多くは論理的な議論がそれほど得意ではない。"because.."と言いながら理由で無いことを延々としゃべり続けたり、時には、Causal relationshipとCorrelationの区別がついてないのではないかと思うような場面もあった。これはやはりAcademic backgroundが少し影響しているようである。Science backgroundを持つ人の方が、概して論理的なしゃべり方、考え方をするようである。これはどこの国でも同じかもしれない。
一方で、Presentationがうまい人は本当にうまい。元々天性の素質でうまい人と、十分に準備をして、ストーリーを構築して、それを上手に演じる人の二種類いるようだ。私は元々人前でしゃべるのは苦手ではないが得意でもないので、後者のアプローチは参考にしたい。
2010年5月20日木曜日
MAP ~Review~
1. グローバル化の中での経営資源の有効活用の難しさ
経営のグローバル化を推し進める中で、また新規戦略分野に進出する中で、必要となる人・技術などの経営資源を技術者の引き抜きや他社の買収等で「要素」として獲得することは、資金さえあればそれほど難しいことではない。しかしながら、要素としてそれらを一応獲得することと、それらを実際に戦力として事業運営のレベルアップに有効活用できるかということはまた別の問題である。
新しいノウハウをどのようにトランスファーするのか、また既存事業とのシナジーをどのように具現化していくのかということに関して何らかの具体的な方策がないと、せっかくの経営資源も眠ったままになってしまうことを実例として学んだ。特に日本と違う点は、欧米系の会社では、専門技術やノウハウは会社ではなく個々の人に紐付いているという認識が一般的であり、業務における個人の責任範囲も比較的明確に線引きされているため、個人の専門知識や経験、コネクションはその個人の業務範囲内でしか生かされないという特長がある。これらを有効に横展開して全社のレベルアップに繋げる為にはインセンティブを含めた何らかの仕掛けが必要であろう。
2. 新マーケットからの要請がビジネスモデル見直しの要因となりうる
A社のこれまでのビジネスモデルは、大雑把に言えば、まず高性能・多機能な動力測定装置等のハードウェアやシミュレーションソフトウェアを開発・販売し、次にそれらをどのように使いこなして新車開発を効率的に行うかというコンサルティングサービスを提供する、というものであった。そしてこれらの組み合わせが、長い目で見れば新車開発期間の短縮やコスト削減といった効果を顧客企業にもたらしたからこそ、多少高くてもハードやソフトが売れたのである。
しかし、それだけでは対応できない事例も生まれてきてきている。例えばインドの自動車メーカーからは、案件毎に競争入札で最も安価なものを採用する方式や、コンサルティングだけをA社に依頼して、ハード・ソフトは他社の安価なものを流用するという方式が提案されているという。先述のGMが他社製の安価でシンプルなモーター動力測定装置を採用した例も含めて、ここから示唆されるのは、A社にとっては、これまでのパッケージ型のビジネスモデルが長い目で見て顧客の利益にもなることを顧客に納得させるか、さもなければ新たなニーズに対応できるように商品・サービス体系を柔軟に見直すことが求められているということである。例えば、機能を絞った安価なハードを商品メニューに加えるとか、ハードやソフトは自社製品にこだわらずオープン化した汎用レベルのものを組み合わせて提案し、そのかわりコンサルティングサービスで稼げるように料金体系を変更する、という考え方がありうる。
3. チーム運営について
今回プロジェクトにあたっては、私を含む4人のチームで臨んだ。試行錯誤で取り組んだ中、チームワークには成功も失敗もあり、その中からいくつかの教訓を学んだり、再確認することができた。
(先読みとスケジュール管理)
プロジェクトの期間は約二ヶ月であり、キックオフや最終プレゼンテーションの準備などを考えると、調査やインタビューに割ける時間は思った以上に短いため、二ヶ月間のスケジュール表と工程表を作成し、それを毎週リバイズしながら作業を進めていくこととした。スケジュール表には、主要なイベントと、それまでに何を準備しなければいけないかを書き込んだ。これをチーム全員で共有したことは他のメンバーにも好評であり、インタビューの前には質問表を完成させ先方に送付する、等基本的な準備を徹底できたことに加え、なにか抜けていることはないか、今のうちにしておくことは無いか等をお互いにチェックし合うことが出来たと考える。
(個々のチームメンバーのバランスをとり、長所を生かす)
本プロジェクトのチームメンバーは、エコノミスト出身のアメリカ人(以下A)、コンサルティングファーム出身のドイツ系アメリカ人(以下B)、自動車部品メーカー出身の中国人(以下C)、そして私の4人であった。それぞれバックグラウンドが全く異なるため、プロジェクトの異なる場面でそれぞれの長所を活かそうということはチーム内での共通理解でもあったし、実際に各人が期待された役割を果たそうと振舞った。例えば、業界動向調査やデータ収集・インタビュー質問作成はCと私が中心になって担当したし、最終プレゼンテーションの骨格はBが作成した。また、Aはスポンサー企業とのコミュニケーションを中心になって担った。
しかし、チーム内での議論となると、話がかみ合わないことが度々あった。自動車業界、またはHEVシステムに関する理解度の差や、最終プレゼンにどのレベルものを盛り込むのかというビジョンの違いがあった。Cは技術の詳細なレベルにまで下りて議論をしたがったし、Bは技術の各論よりも、戦略レベルでの方向性を問題にしたかった。お互いが感情的になることもあったが、私はスポンサーのニーズに応えるためには両方の要素が必要だと考えていたので、なるべくいいとこ取りをしようと提案し、結局、背景知識として必要であれば技術的な詳細や将来的技術動向についても検討し、その上で戦略的な方向性を考えるというところに落ち着いた。
(問題の兆候を早く読み取る)
仕事が終わった後も一緒に飲みに行って話をしたり、我が家での食事会に招待したりと、仕事以外でもチームの一体感を醸成しようと当初から心配りはしていたつもりであった。しかしプロジェクト後半に入り、チームにかかるプレッシャーや作業量が増大してくると一つの問題が発生した。Aが突然ミーティングに来なくなったのである。4人中1人が欠けることの影響は大きいのでBは怒り心頭であったが、Cと私でなだめて、一度みんなで話を聞いてみようということになった。
いつものミーティングルームに呼んで話を聞いてみると、家族に関わる個人的な問題ということであったが、どうも問題はそれだけではなさそうで、途中から業界の話がよく理解できなかったり、チーム内の議論についていけなくなったことにも原因があるようだ。残された期間も少なくなってきたので、Aの分担作業や資料作成の負荷を減らして調整することにしたが、結局彼は最終プレゼン資料作成の際も締切までに担当分を作成してこなかったため、土壇場で他の三人で対応した(そうなる可能性は予見できたので準備はしていた)。最終プレゼンはなんとか4人そろってこなしたものの、チーム一丸となっての達成感、というところには至らない結末となってしまったことは残念であった。
振り返ってみると、出張時のインタビューの議事録を作成していなかったり、ミーティングに遅刻してきたりと、Aの変調にはいくつかの兆候があったように思われる。その時には就職活動とかで忙しいのだろうとあまり気に留めなかったが、もっと早い時点で対策を取っていれば、事態を改善できていたかもしれないと悔やまれる。
(ロジックと個人の尊重がコミュニケーションの鍵)
今回一緒にプロジェクトに取り組んだ4人は国籍もバックグラウンドもばらばらであり、かつ上下の命令系統がなく4人が完全にフラットな位置付けであったため、意見の相違がある場合はとことん議論して解決策を見出すしかなった。その際のコミュニケーションの基礎となったのは、事実と推測を切り分け、ロジックに基づいて議論をするということと、厳しい状況でも最後までお互いを個人として尊重することを忘れない、という二点である。恥ずかしながら、これまで「外国人」と会話するときにはどこか不自然に構えてしまうところがあったが、このことが腑に落ちてからは、肩の力が抜けて自然体でいられるようになったと感じている。
とりあえずそんなところ。またなにか思い出したら追加します。
2010年4月28日水曜日
MAP ~Mission complete!~
途中予想外のトラブルも色々あったけど、それも含めていい経験でした。チームメイト、アドバイザー、クライアント、インタビューに時間を割いてくれた業界関係各位に感謝です!
またMAPからのtake-awayについてはどこかで整理して書きたいと思います。少し時間が経ったほうが客観的な評価ができるかなともおもうので。
チームのみんな本当にお疲れ様!(ってみんなこのブログは見ていないと思われる)
2010年4月20日火曜日
MAP ~Europe Trip 2~
まず初めに、この一週間の出張を通じて、スポンサー企業(A社)の輪郭と強み弱みがすこしづつ見えてきたように思う。A社はもともとディーゼルエンジンの開発からスタートした会社であり、その技術力の高さから、内燃機関の開発において欧州自動車産業の重要なパートナーであり続け、特に世界市場での競争力を持つドイツ自動車メーカーとの関係は強固であった。その結果、内燃機関の開発及び車両駆動系との統合制御技術には現在でも大きな強みを持つ。
しかし一方でこのことは、A社にHEV技術への対応を遅らせる結果へとも繫がった。主要なパートナーであるドイツ自動車メーカーは、HEVを電気自動車(EV)普及までの繋ぎの技術に過ぎないと位置づけ、HEVの開発よりもむしろ既存のガソリンエンジン、ディーゼルエンジンやトランスミッション技術の性能向上に経営資源を注いだからである。しかし、その間HEVの開発に継続的に取り組んできたトヨタやホンダの北米市場における成功(2009年実績では両社併せて北米HEV販売台数の80%以上のシェアを占める)や、発展途上国におけるHEV/EV開発加速化の動きを見て、欧米自動車メーカーもHEVモデル開発に本腰を入れ始めたことから、A社もHEV対応を加速せざるを得なくなり、2006年頃からHEVを戦略分野の一つに位置付け、重点的に戦力強化を開始した。以降、電気モーター・インバーター・バッテリー分野の専門家の中途採用強化、当該分野の研究開発会社の買収、自動車用バッテリーの製造開発会社の設立等の施策を矢継ぎ早に打ち出してきた。
しかしながら、現時点ではこれらの戦力強化の成果は、北米市場における顧客対応力の強化や関連製品・サービスの受注増という具体的な形ではまだ現れてはいないようである。
その要因はいくつかあろうが、第一には強化した戦力をまだ有効に使えていないということが挙げられる。例えば買収したドイツにある研究所の技術者のモーター分野における知見や業界におけるコネクションは大きな武器であると考えられるのだが、それらを他の地域に有効にトランスファーできていないどころか、北米の担当者はその内容すら知らないという状況であった。つまり、個人的なコネクションを通して以外に、全社で共有すべき新たな技術的知見やマーケット情報が横展開されていない。
第二には、異なる市場における異なるニーズに対応できていないという点である。例えば、A社が新規に開発・販売したモーター動力測定装置は、欧州では順調に受注が伸びているが、北米においてはまだ受注実績が殆ど無い。このあたりのA社の市場対応力と実際の顧客ニーズとの間のギャップを明らかにすることは、今回プロジェクトの中心的なテーマの一つでもあり、後の調査を通じて確認することになりそうだ。
2010年4月19日月曜日
MAP ~Europe Trip~
ただ、帰り際にはちょっとしたハプニングも待ち構えていた。
その1
最終日近くなったときに、突然我々チームメンバーに、他のMAPチームからメールが届いた。「先週欧州出張したときフランクフルト空港にPC置き忘れてから取ってきて!」だって、しょうがないなあ。。国内線から国際線の乗り継ぎに2時間くらい待ち時間があったので、その間にLost&Foundに行って引取りの手続き。事前にPDFで送ってもらっておいた委任状を印刷して提出し、少し待った後で無事回収。やれやれ。
その2
フランクフルトからデトロイト行きの飛行機を待っていると、なんとその飛行機がオーバーブッキングとなってしまったとのこと!しかも我々4人のうち2人がまだ座席が確定しておらず、乗れるかどうか分からないという。帰国後のスケジュールもびっちりなのにそれは困るぞ!ということで、「我々は4人のチームで来ている、全員で帰れないと困る!」と主張し押し問答。30分程してようやく2人に座席が割り当てられ、なんとか全員一緒に帰れることになった。
しかし、Deltaさん、「キャンセルを申し出たお客様には1,000ドルのクーポン」ってのはケチくさくないか?どうせDeltaでしか使えないんだろうし。
ともあれ、いずれにしても無事帰ってくることができてよかった。ちなみに、出張の日程についても少し早めに設定していてよかったと思う。もう少し遅かったらアイスランド火山の噴火に巻き込まれて帰ってこられなかったかも知れない。
今回の出張でプロジェクトについて考えたことなど、内容については別の機会に改めてご紹介したいと思う。
2010年3月11日木曜日
MAP ~Kickoff~
スポンサー企業(ここでは名前を明かせないため、今後A社と呼ぶことにする)の北米オフィスはAnn Arborから車で約30分程度のところにあり、当面はこの北米オフィスを拠点としてプロジェクトを進めるのだが、彼らのオーストリア本社及び近隣の研究所や製造拠点を訪問してのインタビューも予定に組み入れることになった。彼らの全社ベースでの経営資源を評価するためには、技術やノウハウの中枢となっているこれらの拠点の競争力を理解しておくことが不可欠だからだ。なあるべく早い段階での欧州出張を要望した結果、再来週から約1週間程度の出張となりそうである。せっかくなので前後いずれか一日程度は観光に充てられるといいのだが、こればかりはわがままを言うわけにはいかないだろうなあ。。
当面、北米オフィスには週3日程度出社し、それ以外の時間はビジネススクールにおいて、図書館などのリソースを利用した調査やチームミーティングに充てることとした。
前回も書いたかもしれないが、本プロジェクトのメンバーのバックグラウンドは、アメリカ人エコノミスト、ドイツ人経営コンサルタント、中国人メーカー技術者、そして日本人メーカー営業マンと国籍も職種も多彩である。それぞれの強みをプロジェクトの異なる局面で活かせればいいと思う。
今週はMAP開始に当たってのオリエンテーション的要素が強く、A社とのミーティング以外は、ビジネススクール主催の説明会やミーティングへの出席が中心となった。来週からはいろいろ本格的にMAP始動!である。
2010年1月30日土曜日
MAP ~Project決定~
Biddingする際にも少し調べたのだが、この会社、オーナーが100%の株式を所有する非公開会社で財務諸表等が開示されておらず、財務面から経営内容を確認することができない。会社のWebsiteやビジネススクールのデータベースで調べてみると、特に欧州においてシェアが高く、自動車開発過程においてソフト面で重要な役割を果たしているようだ。すでに米国には進出しており(実際今回プロジェクトの直接の対面は北米オフィス)、近年は中国、インド等での市場を広げようとしている模様。
もうちょっとバックグラウンドの情報が欲しかったので、業界に詳しそうなクラスメイト(彼はトルコ出身で前職はフォードで生産管理やマーケティングをやっていた)に聞いてみることに。彼曰く、
1. 欧米では自動車開発過程に深く入り込んでおり、いくつかの完成車メーカーはA社無しでは新規のエンジン開発が出来ないほど(それらの完成車メーカーはマーケティング、調達、組立工程に注力しており、純技術的な課題解決にはA社のような外部のエンジニアリング会社を使っている)。
2. 特に強いのは膨大な開発データベースに支えられたベンチテスト~シミュレーションの能力と経験
3. コスト削減のため、完成車メーカー側に新車開発期間短縮ニーズが高まる中、存在感はますます高まっている。
面白い立ち位置の会社である。逆に日本での存在感があまり無い理由もここにあると思われる。日本ではこれらのExpertiseは主に完成車メーカーとTier1サプライヤーによって保持されていると考えられるので(最近は変わってきているのかもしれませんが)。
さて、チームメイトだが、みんなバックグラウンドが違い、面白い組み合わせになった。まず最年長のBは中国人で自動車業界での経験が長く、渡米直前はDelphiでSales Managerをやっていて、さらには中国で自分で小さい工場を経営していた経験もあるそう。実は彼とはサマースクールのMarketing Projectでも同じチームだったため、チームを組むのはこれで二回目である。
アメリカ人のCは元経済官僚でWashington DCでGDPとかのマクロ経済データ作成・分析をしていた。ただしKarmann Ghiaを所有し、自分でレストアする程の生粋のカーマニアで、自動車に対する情熱が抑えられなくなり、ついには自動車業界に転進するためのきっかけとしてMBAを選択したのだとか。アメリカ人には珍しく饒舌ではないが、いい人。
もう一人のアメリカ人のEは父親がドイツからの移住者で、本人もドイツとの二重国籍を保持。英語、スペイン語に堪能なのにドイツ語はあまり話せないようで、あまり期待しないでくれ、との本人弁。コンサル業界出身らしく、よくしゃべるし、パワーポイントの作成技能にはかなりの自信を持っている。
で、最後に私は日本の大手メーカー出身で主に営業と財務・経理のバックグラウンド。担当として自動車業界との直接の接点はなかったものの、かつて営業で扱ったことのある製品が近年自動車向けに今回プロジェクトと関連ある分野で適用拡大されているとの事で、昔を思い出しながら取り組むことになりそうである。
担当するテーマは、該社のある製品・サービス群の北米マーケット調査と一次的なマーケット戦略立案とのことだが、該社の企業文化、競争力、技術的・人的リソースに関する理解を深めるために、1週間と期間は短いがヨーロッパ出張も予定されている。
2010年1月11日月曜日
MAP ~Bidding~
さて、そのMAPであるが、今年は最終的に120近いプロジェクトがアメリカ国内外の企業から学生に提供された。それでもMAPオフィスがかなり絞り込んだ結果だと言っていたので、元々のオファーはそれ以上あったということである。ミシガン大学にプロジェクトを依頼する会社側の動機としては、比較的安価にコンサルティングサービスを利用できるという面や、MAPを採用活動の一環として捉えている面があるようである(実際、MAPを通じてサマーインターンのオファーを得たという話も聞く)。
学生は、その120近いプロジェクトの中から自分の希望するTOP10プロジェクトを順位を付けて登録する。そしてMAPオフィスが学生の希望と会社側の希望、学生の職務バックグラウンド等を総合的に勘案してチームを組成するのである。
私はもともと製造業の国際展開に興味があったので、主にグローバル製造企業を中心にセレクトした。また、折角なのでこれまでとはまったく違った経験をするのも面白いなと思い、いくつかのスタートアップカンパニーもリストに加えておいた。
最終的にどの会社を担当することになったとしても、面白い経験になりそうで今から楽しみである。選考の結果は、1月下旬に判明する。
2010年1月10日日曜日
2010WinterA
2009年12月31日木曜日
リーマンショックとビジネススクール
前日の続きだが、金融危機の話がビジネススクールではどのように取り上げられていたかについても述べておきたい。
今回の金融危機の経過と原因については、その発生直後から米国内でも議論が続けられてきたが、ビジネススクールの教授によると、現在では概ね以下のような共通認識に落ち着きつつあるようだ。
①グリーンスパン議長指導下のFRBが長年にわたって低金利を維持したことが住宅バブルの発生と拡大に繫がり、住宅価格の上昇を前提としたリスクの高い住宅ローンの貸し出しが拡大したこと。
②証券化という手法によってサブプライムローンの高いリスクを見かけ上分散化して金融商品を組成し、投資家に販売できるようになったこと(高格付けの金融商品に組み替えて販売してしまえばその後のリスクを負わなくて済むため、証券会社のモラルハザードにも繫がった)。
③複雑な金融商品の真のリスクを評価する仕組みや制度が確立していなかったこと(ロナルド・レーガン以来の規制緩和の流れをバックグラウンドとして指摘する論調もあり)。
Bank of Americaが45億ドルの公的資金全額返済を決めるなど、公的資金注入を受けた金融機関は少しずつ息を吹き返してきており、次の焦点は連邦議会における金融規制関連法案の成立に移ってきている。公的資金注入を受けたにもかかわらず貸し渋りを続けている金融機関に対する世論の風当たりは依然強いが、一方で政府による過度な規制や介入を嫌がる金融業界はロビイストを通じた議会対策を強化しており、着地点を目指す綱引きが続いている。
なお、米国の多くのビジネススクールでは「今回の金融危機にビジネススクールは(人材の供給元として)間接的に責任があるのではないか」といった観点から、ビジネススクールの存在意義・カリキュラムの改正についての議論も盛んになってきているが、それにとどまらず、現在進行形のトピックスが授業でも取り上げられたり、追加プログラムとして、実際に金融危機の対処に最前線でかかわった人(Bryan Marsalなど)をビジネススクールを呼んで話をしてもらう機会などが早速セットされたりしてしたことは興味深かった。
このあたり、日本でやろうとしたら「現在進行形の話であり時期尚早」などと言われて実現しなさそうであるが、割り切って「過去の失敗から積極的に学ぼうとする」柔軟性・即応性は米国の優れた点の一つと言えるのではないかと感じた。
2009年12月30日水曜日
2009 FallA/Bを振り返って
サマースクール終了後、秋学期の授業開始、家族の到着、引越し、各種手続と慌しく過ごしているうちに秋学期を終えた。学期中はとにかく復習と次の授業の準備に追われブログを書く余裕がなかったのだが、ここでミクロ経済、統計学、ファイナンス、マーケティング、企業戦略、組織管理等の主な必修科目の概要と特に印象に残った点について、自分自身の備忘も兼ねて記しておきたい。
BE502(ミクロ経済)
カバーされた内容は主に価格決定理論、独占・寡占の市場への影響、関税導入が輸入国・輸出国に与える効果、ゲーム理論、価格差別化による企業収益最大化等。興味深かったのは、金融危機の原因とその対策についての考察が早速授業に取り入れらていたこと。サブプライムローン等の高リスク債権が証券化によって低リスクの金融商品に組み替えられ、広く市場に浸透して行った過程を分析するとともに、今後の対策の視点が提案されていた。(例えば、金融商品を組成する証券会社の担当者のモラルハザード対策のため、金融商品の詳細なリスク開示を義務化する、もしくは販売後のリスクの一部を証券会社も共有する仕組みを作る、等)
OMS502(統計学)
マーケティングやファイナンスでも多用する統計解析や重回帰分析等の基本的ツールについて習得した。ただし、統計はあくまで現実を分析するツールに過ぎず、そもそも分析しようとする対象が何なのか、その本質をよく見極めてツールを適用する必要があるということが個人的には最も大きな学びだった。例えば、住宅ローンを証券化して組み込んだ金融商品は、全米各地の住宅ローンのデフォルトがランダムに起こることを前提として統計的手法によりリスクを軽減するよう設計されたが、住宅価格下落の連鎖的発生の可能性が見過ごされていた(実際には一旦ある地域の住宅価格が下がり始めると他の地域の住宅価格レベルにも影響を与え、連鎖的に住宅ローンのデフォルトが発生してしまった)。
STR502(企業戦略)
各業界・企業のケーススタディを通じて、企業分析の基本的なフレームワークとその具体的適用について学んだ。個々の企業を見るときに、業界の構造、その企業のポジショニング、競争力のポイント、取引企業(サプライヤー、需要家)との力関係、財務等を多角的にチェックする癖がついた。また、ケーススタディを通じて様々な業界・企業の競争力分析を行うことで、視野が広がった。ただし、ビジネススクールの用意したケースは学習用に単純化されていることには留意が必要である(実際に授業でサムスンのケースを扱ったが、サムスン出身のクラスメイトに言わせるとあまりに単純化しすぎたり、ステレオタイプに捕らえすぎている面があるとのこと)。
MKT503(マーケティング)
ミシガン大の教授が提唱する「Big Picture」というフレームワークに沿ってマーケティング戦略を構築するプロセスを学んだ。理論を学ぶだけでなく、チームプロジェクトとして実際にある企業の特定の製品を取り上げてそのマーケティング戦略を分析し、改善点を提案するというアプローチも平行して行った。しかしながら当該授業で扱う内容は基本的なものであり、分析も概念的・定性的なものにとどまったことから、今後、より定量的な情報収集・分析に踏み込んだマーケティング手法についても理解を深め、スキルを向上させたいと考える。
MO503(組織管理)
個人、チーム、組織それぞれのレベルでどのようにパフォーマンスを最大化するかをテーマとし、複数のフレームワークを使って、組織管理がうまくいっていない要因をどのようにして発見・診断して改善に繋げていくべきかを学んだ。とりわけ印象的だったのは、複数のコンサルティング会社の調査によると、世界的に見て企業間のアライアンスのうち約60%はうまく機能していないという実態があること。失敗の主な原因としては環境の急変、互いの企業戦略上の齟齬、J/V会社のガバナンス上の競合、企業文化の違いなどが挙げられるが、それに対してアライアンスの設計段階からどのように対処するべきか、理論的な枠組みと実際の適用例を学ぶことが出来た。
STR503(世界経済)
貿易収支や金融収支、財政赤字、インフレ、金利水準がどのように為替変動と関係しているのか、曖昧だった理解をブラッシュアップすることが出来た。また、国際貿易に関する基本的な理論を学ぶとともに、実際に企業が海外投資(海外生産、J/V、ライセンシング)を検討する際に、判断材料としてどのような要素を考慮に入れるべきかについても学ぶことができた。
(その他所感)
ミシガン大ビジネススクールの特徴の一つとして、チームワークを重視しており、ほぼ全ての授業においてチームベースの課題が課せられ、チーム内でワーク・議論した上で課題を提出しなければならないことが挙げられる。それぞれのチームは5~6人で編成され、うち3~4人がアメリカ人、2名程度が留学生という構成。いずれの課題においても、国籍もバックグラウンドも異なるチームメイトと議論し、ワークを分担し、最後にそれを纏め上げる過程は、事前の予想よりも遥かに時間がかかり骨の折れるものだった。とにかく、極めてシンプルな課題(例えばファイナンスの現在価値評価)においてすら、最初はみんな考えていることが違うことが多い。ましてやマーケティング戦略の立案等、明確な答えのない課題においては、各々が自説を主張して収拾がつかなくなり、午前中で終わるはずのミーティングを昼食を挟んで午後に延長、時には翌日にミーティングを再セット、ということもあった。日本とは異なり、米国では一般的にチームワークは非効率的なものと考えられている理由を実感したが、いくつかのチームプロジェクトにおいて、お互いの主張の根拠を確認し、議論し、合意を形成する過程を通じて相互理解や信頼感を深めることで、チームのパフォーマンスが目に見えて向上する、という体験をすることができたのは大きな収穫であった。そのようなチームにおいては、チーム全体のパフォーマンスが向上しただけでなく、結果的にチームメイトとの友人としての交流を深めることも出来た。
(Big3経営悪化の影響)
ミシガン州は米国自動車産業の一大拠点であり、地域経済はBig3の経営悪化の影響を強く受けている。現在でも経営再建プログラムに基づいた関連設備の閉鎖・人員削減が続いており、特に以前から治安の悪化が続いていたデトロイトでは、GMの本社が入居するルネッサンスセンターを中心とした市街地再生計画がGM自身の破綻によって事実上推進困難となり、ビジネス拠点の市外流出→富裕層・中間層の人口流出→貧困層の比率増大→治安悪化→さらなる人口流出の悪循環を招いていた。一方でミシガン大学の立地するAnn Arbor周辺には自動車メーカーの研究開発センターが集積しており、自動車産業の経営悪化の影響は比較的軽微にとどまっている。これはAnn Arborに米国環境庁 (EPA) の自動車・燃料排出研究所が立地していることが大きいと言える。現在低燃費車の開発に力を入れている各メーカーにとって、新エンジンのテストや環境性能(燃費)の評価・認可のためにこの研究所にエンジンを持ち込む必要があるため、自社の研究所も近隣に構えていたほうが便利だからだと思われる。
Big3の経営悪化、そしてGMとChryslerへの公的資金注入(米国ではより直接的に “Taxpayer’s Money”と表現されます)に際しては、以前の日米貿易摩擦の時のような“日本車叩き”といった現象はあまり見られない。むしろ、このような状況を招いたBig3経営陣の長年にわたる失策・不作為への批判が主な論調となっている。一般的な日本車の評価は、「少し高いけど、丈夫で信頼性が高く、燃費が良い」と概ね好意的なもので、TOYOTA、HONDA等の日本車ブランドは長い時間をかけて米国での市民権を獲得したと言える。
なお、ミシガン州には自動車関連の日本企業の支社や現地工場・研究開発拠点も多く、日本人駐在員も数多く在住していますが、工場閉鎖や事業の一時縮小の影響から、今年は多くの駐在員が当初の予定駐在期間前の帰国内示を会社から受けたり、あるいは後任なしの帰任となっているケースが増えていると聞いた。
2009年8月13日木曜日
サマースクール
7月~8月中旬までミシガン大学が留学生のために提供している英語サマースクールプログラムに参加したので、その内容を振り返ってみたいと思う。
1.概要
University of MichiganのEnglish Language Institute (ELI)が提供しているサマースクールプログラムであり、ELI全体では毎年100人程度の留学生を受け入れているとのこと。うち自分も参加したビジネススクール向けプログラムのEnglish for Business Studies(EBS)には30名程度が参加。ブラジル人、チリ人、ペルー人等の南米系や、中国人、韓国人、台湾人、日本人等のアジア系が主に参加していた。人数としてはブラジル人と中国人が最も多く、日本人は自分を含め4名だった(MBA2名、GMBA2名)。
2.EBSの特徴
単なる語学学校というよりはプレMBAともいうべきカリキュラム構成。ケースの速読、ライイティング、実際の調査を踏まえたマーケティングプランのプレゼンテーションなど、MBAの授業において求められる実践的な英語力の強化に重点を置いたプログラム内容である。
課題もグループベースで議論して提出・プレゼンテーションすることが求められるなど、プログラムを通じて各国から集まった留学生同士の交流と相互理解が促進されるように配慮がなされている。
また、フォード車のマーケティングのケースを担当したが、プレゼンの準備のために実際にフォードのディーラーに出向いて販売担当者にヒアリングしたり、町中のカフェで一般人にインタビューしたりするなど、アメリカ生活になじむ良い機会となった。
3.学費
US$3,400 (約34万円) / 7week (*うち授業料33万円、教材等1万円)
4.環境
授業等は夏季休講中のビジネススクールの建物を利用して行われるので、設備面での充実度は申し分ない。この機会にビジネススクールの設備利用(会議室予約、図書館、カフェ、コピー機等の利用)に慣れることもできるし、留学生同士で仲良くなったり、サマースクールに通いながら住居探しや車探しなどの生活のセットアップを進めることもできるのは、語学学習以外のメリットでもある。
2009年6月25日木曜日
Ann Arbor到着
成田~シカゴ~デトロイトと乗り継いで、無事Ann Arborに到着。
住居が決まるまでは、とりあえず1週間ホテル(Fairfield in Ann Arbor)を予約しておいたので、そこを拠点にまずは入学手続き、銀行口座の作成、住居探しなどを行う予定。車はそのあとかな。
渡米
本日MBA留学のため渡米しました。
入学先は、ミシガン大学のビジネススクール、Ross School of Businessです。妻と子供を連れての2年間の留学となりますが、妻は仕事の都合で8月末ごろの渡米となるので、一足先に一人で渡米し、まずは入学手続き、アパート探し、車の購入などアメリカ生活のセットアップを行う予定です。
今後、サマースクールの様子、ビジネススクールでの経験やアメリカ生活で感じたことなどをアップしてく予定です。