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2010年12月25日土曜日

2010 Fall electives

2010秋学期が終了、早くもMBA生活の4分の3が終わってしまったわけで、過ぎ去るときのあまりの早さに焦りを覚えつつある今日この頃である。一年目でコア科目を終え、二年目となる今年は選択科目を履修しているのであるが、実際に受講して面白いと感じた、お勧めできる授業について簡単にご紹介したい。

Advanced Competitive Analysis – Strategy 669
Strategyの名物教授の一人であるProf. Ahujaによる授業です。MBAなら誰でもFive Forces等の基本的なフレームワークは知っていますが、この授業ではそれぞれのフレームワークが前提としているAssumption、原理原則を明らかにしつつ、いかに実戦で事業戦略の分析ツールとして使いこなしていくか、ということに主眼を置いています。また授業後半では分析過程だけではなく、その分析結果を使ってどのように新戦略の立案に繋げていくかという総合過程や、新戦略の実行面における課題分析についても取り扱いますので、分析力だけではなく総合力も鍛えられます。一応ケースディスカッションをベースとした授業なのですが、実際にはケースを題材にしたLectureという感じでAhuja本人が喋っている時間が一番長いです。しかし授業の構成や進め方は良く練られており、時折問題の本質を考えさせる非常に巧妙な質問が飛んでくるので気は抜けません。特に“Think carefully..”と言われたときには要注意です。ケースを注意深く読んで真剣に予習をしていったつもりでも教授の方が一枚も二枚も上手で毎回何らかの新たな発見がある、そんな授業です。Strategyに興味がある方ならミシガンでは必ず取るべき授業の一つだと思います。

New Venture Creation – ES 615
細かいこといわんと一度ベンチャーを立ち上げてみよう、というRossらしいクラスです。講師のJim Priceは既に何社ものベンチャーを成功裏に立ち上げた経験を持つ生粋のEntrepreneurであり、彼の意見や視点は非常に参考になります。プロジェクトを通じて彼のコンサルティングを受けられることがこの授業を取る最大の価値と言えます。授業では、アイディア出しから始まり、Business Planの作成、Investor Presentationの実施までをカバーしますが、実際にこの授業をきっかけにして立ち上がった事業がいくつもあります。私もインドで学習障害を持つ小学生向けの医療サービス提供ベンチャーの立ち上げに参加しましたが、インドにFounderがおり、実際に我々のBusiness Planを元に事業立ち上げを予定しています。Full-termを通して時間の殆どをプロジェクトのためのグループワークに費やすことになるので、どのクラスメイトとチームを組むか、どれだけ真剣にプロジェクトに取り組むかによってTake-awayが大きく変わってくると思います。実際に起業のアイディアがあるけど、どのように事業化してよいか悩んでいる方や、卒業後はベンチャーキャピタルで働きたい、もしくは大企業で新規事業を立ち上げたいと考えている方にはお勧めできる授業です。

Leadership in Changing Times – MO 611
Crisis Managementの権威、Gerald C. Mayersが教えるRossの名物授業の一つです。毎授業毎に危機に瀕している、もしくは危機を乗り切った経験のある会社に焦点を当てて、Role Playや議論を通じて、危機におけるLeaderの役割について学びます。また対象企業のCEOや役員クラスが実際に毎回の授業に出席しており、当時の状況やその時果たした役割について体験談を語ってくれるのも醍醐味の一つです。2010 Fallの授業ではFord, P&G, GE Technology, Toys R Us等を扱いました。毎授業のRole Playでは、特にPresentationを行う企業側の役割が当たっている時にはInvestor、Analystや Media等からの集中砲火を浴びるため、山程ある資料を読み込んで準備していかなければならず、正直1.5 Creditには見合わない負荷となります。しかしきちんと準備していって議論に参加したほう(Role Playに没入したほう)が学びが多いのも事実でした。米国においてLeadershipがどのようなものと考えられているのか、実際にどのような人が米国大企業のCEOとして働いているのか、またAnalystやMediaがどのように企業を見ているのか理解できる良い機会でもあります。将来大企業のCEO, CFOを張りたい方、Public Relation部門でのキャリアの可能性のある方には特に受講をお勧めします。