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2010年11月24日水曜日

Caste in India

たまたまインド人の友人とインドにおけるカースト制度が話題になったので、そのうち面白かった話について備忘の意味で残しておきたい。

1. カーストはインド人の生活のあらゆる場面に影響しているが、少なくともその負の側面は変えていこうという取り組みはなされており、例えば大学受験においては、低いカースト出身の受験生のための優先枠が確保されているのだという。アメリカにおけるAffirmative actionのようなものか。しかし問題はそれだけで片付くほど単純でもなく、例えばカースト上のランクは高くても貧乏な家庭というのも一定の割合であるらしく、これらの家庭出身の学生にとっては、家庭が貧乏で教育の機会に恵まれず、かつ大学入試でもカーストが高いために不利な立場に立たされるという理不尽な状況になっているらしい。

2. Tataというインド最大規模の財閥があるが、Tataは採用、昇進等のプロセスにおいてカーストを全く考慮しない平等な人事制度をもっていることで有名だ。これは創業家が元々中東からの移民であり、インド内部のカーストから比較的自由であったことが少なからず影響しているらしいが、このことが外資系企業の多くがTataをビジネスパートナーに選ぶ要因になっているようだ。一方で、Tataは寄付や社会インフラの整備等を通じて、地域社会に貢献することも忘れてはおらず、Tataがビジネスをしている土地ではすこぶる評判がよい。大げさではなく、地域住民は神ではなくRatan Tata(Tata会長)に祈るのだとか。